【涙と感動の嵐】Chapter K のストーリーを徹底考察

Cytusに用意されているチャプターの1つ 「Chapter K」にはストーリーが用意されている。

公式設定は何も与えられていないのだが、イラストと楽曲とタイトルをヒントにプレイヤーの想像力が掻き立てられていくのが面白い。

Iris(アイリス)Rosabell(ロザベル/ローザベル)という幼馴染で親友同士だった二人の女性が次第に敵対し、戦うことになってしまう、という王道的なストーリー。

答えが用意されていないため、人によって様々に解釈される「Chapter K」のストーリーであるが、今回は筆者の個人的な解釈を長々と書き記してみた。

これを読んでゲームに興味がでてきたらCytusをプレイしてみよう。

また、Cytusを配信している同会社のDeemoというゲームにも、今回考察していくChapter Kの曲が移植されている。

気になる人はDeemoもチェックしてみよう。


また、以下の文章は、CytusのVer6.0のアップデートで「Chapter K」が追加された際に、アップデート内容に掲載されていたChapter Kの説明文。

The reunion on the battlefield brings back childhood memories and refreshes broken friendships.
The destiny,driven by forces of love and hate,turns them into shining roses and irises.

戦場での再会は幼い頃の記憶をよみがえらせ、壊れた友情を新たにする。
愛と憎しみの力に駆られた運命は、彼らを輝くバラとアイリスへと変える。

では、さっそく二人の物語を覗いてみよう。

目次

1 The Way We Were 【Memories】

あの頃のわたしたち 【思い出】

The Way We Were

「Chapter K」に収録されている楽曲には全て別名が用意されており、”The Way We Were” には “Memories” という別名が用意されている。

“The Way We Were” は「あの頃の私たち」という意味で、”Memories(思い出・記憶)” という別名が付いていることからもわかるように、昔の思い出や記憶がテーマになっていることがわかる。


イラストは幼い二人の少女が遊んでいる様子が描かれている。

当初、二人の少女の名前は明かされていなかったが、「Chapter K」の楽曲が人気音楽ゲーム “Deemo” に収録された際に、青い少女が「Iris (アイリス)」、赤い少女が「Rosabell (ロザベル/ローザベル)」という名だということが判明した。

Iris は首から十字架を下げていて服装も修道女のように見える。

きっと聖職者などの神に仕える家系に生まれたのだろう。


また、少女らの足元に広がり、Iris の頭にかけられている花冠の花は、おそらく”純粋” や “無垢” といった花言葉を持っている「ユリ」の花。

幼い頃の二人は、共に穢れなくキレイな心を持っており、純粋無垢な少女だったということが暗示されているのかもしれない。


肝心の楽曲も、「晴天の中、外に出てはしゃぎまわっていたやんちゃな子供の頃」を思い起こさせるような、軽快で可愛らしく開放感を感じるメロディーが印象的。

このころの二人は姉妹のように仲良しで、毎日楽しい日々を過ごしていた、という物語を感じる。

2 The Sanctuary 【Blessing】

聖域 【神への祈り】

The Sanctuary

“The Sanctuary (聖域)” の別名は “Blessing (神への祈り)”。

楽曲も、冷たく悲しげで神秘的な場所を彷彿とさせる一曲。

タイトルと合わせて考えても、教会や神殿などの宗教的で神聖な場所で、神に祈りや誓いを捧げているシーンを描いているのだと考えられる。


曲のイラストは Iris が剣を抱え、跪いているもの。

後のストーリーを見ると Iris は騎士になっているため、剣を抱え跪いているこのシーンは騎士になる誓いの場面なのかもしれない。

悲しい曲調の曲だったことから、少女は自ら望んだわけではなくて、そういう身分の家に生まれたから仕方なく誓いの儀式を行った…という印象も受ける。


イラストの左右に描かれている花は、おそらく「アイリス」の花。

青色のアイリスの花には “強い希望” “信念” という花言葉があり、紫のアイリスの花には “知恵” “叡智” という意味があるそう。

Iris は、強い信念と知恵を持つ強い女性だということを表現しているのだろうか。

3 The Red Coronation 【Calamity】

血濡れの戴冠式 【災難】

The Red Coronation

“The Red Coronation” は直訳すると「赤い戴冠式」

戴冠式とは

国王・皇帝が即位の後、公式に王冠・帝冠を聖職者等から受け、王位・帝位への就任を宣明する儀式。

つまり、「王様や皇帝になりました」というしるしとして、頭に冠を載せる儀式のこと。

イラストの右側を見ると、二人が何者かに槍で貫かれ血を流しているのがわかる。

その光景を目にしている Rosabell の瞳からは(わかりにくいが)涙がこぼれていて、怯えた様子である。

槍で貫かれている二人は男性と女性に見えるので、この2人はおそらく Rosabell の両親。

タイトルの “戴冠式” を踏まえると、「武力によって Rosabell の両親でもある国王と妃が殺害され、新たな王が誕生した」というシーンなのではないかと予想できる。

イラストには炎も描かれており、城に火が放たれている様子が目に浮かぶ。


両親が突然殺害されるという出来事は、少女からすると明らかに “災難” であり、この曲の別名が “Calamity (災難)” であることも納得がいく。

“The Red Coronation” の “Red” は「血」を指していると考えて、「血濡れの戴冠式」と訳すほうが自然だろう。

Rosabell のイメージカラーが赤であることにも掛かっているのかもしれない。


また、Rosabellの後ろには顔の見えない何者かがいて、Rosabellを両手で掴んでいるのがわかる。

この国の王女だった Rosabell は両親が亡くなった今、命を狙われる身。

この危機的状況に、後ろの謎の人物は王女の命を守るため国から逃亡・もしくは隠そうとしているのではないか。


楽曲も、不穏な雰囲気と緊張感を感じるものになって、王女の身の安全が脅かされている危機的状況が感じられる。

4 Forbidden Codex 【Bewitched】

禁じられた魔導書【魔法にかけられる】

Forbidden Codex

タイトルの “Forbidden Codex” は「禁じられた魔道書/書物」という意味で、楽曲のイラストにも怪しげな本が登場している。

おそらく、「悪い力が封印されていて触れてはいけない」とか、そういう類の本だったのだと思う。


そして、イラストに描かれている少女は Rosabell で、開いた本から禍々しい黒い霧のようなものが溢れ出てきている。

この曲の別名でもある “Bewitched” には「惑わされる/魔法にかけられる」といった意味があり、禁忌とされていた書物を開いてしまった Rosabell は何かに取り憑かれたのではないかと予想できる。

魔物に取り憑かれたのか、負の感情に支配されたのか、悪の魔法の力を手にしたのか、呪いにかかったのか、具体的にはわからないが、後のストーリーで Rosabell は恐ろしい娘へと成長していく。

5 Knight of Firmament 【The Chevalier】

蒼穹の騎士 【騎士】

Knight of Firmament

Iris が剣を持ち、悲しげな表情で座り込んでいるイラスト。

タイトル “Knight of Firmament(蒼穹の騎士)” と、別名でもある “The Chevalier(フランス語で騎士)” を見るに、 やはりIris は騎士になっていた。

イラストに描かれている宙から吊るされている剣は十字架に見ることもでき、騎士でありながら聖職者の家系でもあるという身分を表現しているのだと思う。


さらに、Iris の後ろの十字架には、Rosabellのような人型が貼り付けにされている。

実は、次に紹介する “Load of Crimson Rose” では、 Rosabell は魔王のように恐怖で人を支配するような恐ろしい人間に変貌していることが判明する。

十字架に貼り付けにされているのは、「そんな恐ろしい人間は処刑しなければならない」という帝国の意志の表れだろう。

ただ、その国に属し騎士でもある Iris は Rosabell を処刑することに抵抗を覚えているのだと予想する。

後のストーリーで判明するが、Iris はRosabell を救いたいという思いを抱いている。

Rosabell は国を護るため騎士として討たねばならない敵であるけれども、大切な友人でもあるから殺したくないという葛藤と Iris は戦っているのではないか。

だからこそ、イラストに描かれている Iris は悲しげで何か悩んでいるような表情をしているのだろう。



また、この曲には歌詞があり、歌詞を読み解くことでより深く Iris の思いを理解することができる。

咲き誇るこの蒼い華

剣(つるぎ)と盾 奉げる

何時の日にか 貴女の為

例えこの身が砕かれようとも

“青い華” というのは「アイリス」のことで、自分自身を指しており、剣と盾を奉げるというのは、これから戦いに身を投じるという宣言に聞こえる。

“貴方の為” の “貴方” は Rosabell を指しており、この歌詞では「Rosabell のために死ぬ気で戦う」と言っている。


そして「貴方の”為に”」と表現している箇所からは、「貴方を助けるために」という意思を感じる。

争いを好む血に染まった女王へと変貌を遂げた Rosabell を、Iris は救いたいと考えているのだろう。

幼少期から共に時間を過ごしてきたからこそ、「Rosabell は殺戮を繰り返すような人じゃない」という確信を得ているのか、
もしくは、「禁書を手にしてしまった」という情報が入っていて、本に惑わされているということを Irisは知っているのではないか。

Rosabell も苦しんでいるということに、 Iris も気づいているのだと思う。

ちなみに、「Rosabellも苦しんでいる」と考える根拠は、次の曲 “Load of Crimson Rose” や “The Fallen BLOOM” の歌詞の中で見つけることができる。


とにかく、「たとえ自分の命に代えても Rosabell を現状から救い出してみせる」という Iris の意志を感じることができる歌詞。

高い木々に囲まれて

背伸びし 光求め

あの約束を果たすため

嘲笑われても昇ってゆく

“高い木々に囲まれて~” というのは、幼少期の記憶を思い出しているシーン。

“あの約束” がどのようなものなのかはわからないが、Rosabell と幼い頃に何かを約束していたことが読み取れる。

個人的な予想だと、「ずっと一緒にいようね」「ずっと仲良くしようね」といった約束なんじゃないかと思っている。


“嘲笑われても昇ってゆく” に関しては、「Rosabell を正気に戻す/助ける」という Iris の考えが馬鹿馬鹿しいと周囲の人たちに笑われているのかもしれない。

それでも自分は前に進む (昇っていく) という意味なのではないか。

だとしたら、歌詞が「前に進む」ではなく「昇る」という表現になっているのは、”Firmament (蒼穹)” と関係がありそうである。

“Firmament” は「大空」「天空」「蒼穹 (青空と天空)」という意味があり、空をイメージさせる。

さらにイラストの十字架には羽のようなものも描かれていることから、前進することを「大空を羽ばたく」というような意味で “昇っていく” と表現しているのだろう。

崩れた王城(しろ)には

もう貴女が居なくて

もう願いも 祈りも

要らなくて

“崩れた王城” というのは、 “The Red Coronation” で登場し、Rosabell の両親が亡くなった “城” を指しているのではないかと予想。

Rosabell の両親が殺害されるとともに城には火が放たれていたし、改修工事は行われていたとしても、まだボロボロで崩れたままの状態なのだろう。


Rosabell は王女であるから、当時は城の中で生活していたはず。

Iris と一緒に城のなかで遊んだこともあったはず。

でも、今では貴方 (Rosabell) はここにはいない。

今では全てが何もかも変わってしまった、という感じ。

そして、神に仕える家系に生まれたIrisも、今では神に祈りを捧げたりお願いしても無駄で Rosabell を救うことはできず、騎士として戦うしか選択肢が残されていない。

そんな状況を唄っている歌詞なのではないか。

その瞳(め)が赤く染められた

と云うのなら

この剣(つるぎ)で全て

正してみせるまでだ

“その瞳(め)が赤く染められた” の “その瞳(め)” は Rosabell の瞳を指している。

そして “赤く染められた” というのは、大量の血を見ていて瞳に赤い色が映りこんでいる、ということを表現しているのかもしれないが、根っこの部分は「心が邪悪に染まってしまった」ということを意味しているのだと思う。

一番最初の “The Way We Were” や “The Red Coronation” の頃の Rosabell の瞳は赤色ではなく、青や緑っぽい色であるから、「目が赤い = 昔とは違う」を意味しているのは間違いないはず。

そして Irisは、「騎士として自らの剣によって Rosabell に正気を取り戻させてやる」と言っているのだろう。

いつでも潔(しろ)い侭で

貴女を待っている

昔の姿で

また会えるその日まで

歌詞の最後は、「自分は昔の頃の純粋で優しい気持ちのまま Rosabell が帰ってくるのを待っているよ」、というIrisの願望や思いが表現されている。

また、過去を忘れようとする Rosabell とは対照的に、Iris は過去に執着している点が対照的で面白い。

6 Load of Crimson Rose 【The Queen】

真紅の薔薇の女王 【女王】

Load of Crimson Rose

“Knight of Firmament” と対になる曲で、あちらではIrisの心情を表現していたが、この曲ではRosabellの心情がつづられている。


イラストは、Rosabell が不敵な笑みを浮かべながら、権力者のみが座ることを許されるような王座に座っているもの。

周囲には剣が無数に刺さっており、血のような赤い色で染まっている。

絶対的な権力を持ち、歯向かう奴らは全員亡き者にするような、争いや力を求め世界征服を企むような人間になっているのだと予想できる。


また、この曲にも歌詞が用意されているため、歌詞を読み解くことで解釈を深めることができるはず。

白い心を隠してる  
赤く染めた瞳になる 

“白い心” とは、Irisが取り戻したいと考えている純粋で優しいころの Rosabell を指しているだろう。

本来の優しさを持っていた Rosabell は禁書に触れてしまったことよって心の奥深くに閉ざされてしまい、現在は恐怖で人を支配するような性格が表に現れているのだと考えられる。

瞳が赤いのは、大量の血の赤色が瞳に映りこんでいるのか、禁書の力によって赤い瞳になっているのかはっきりしないが、先ほども言及した通り、目が赤い=別人格/呪われた状態/取り憑かれた状態 ということを表現しているのは間違いない。

呟いて 一人の旅 

彷徨いも 尽くしてない

この部分は解釈が難しいが、「孤独」であることを表現しているのだと考えられる。


今までは王女という身分だったため、一緒に遊べる友人も少なかったが、それでも Irisがいてくれた。

でも今は一人で、会話する相手もおらず、常に1人で生きている。

行く場所・戻る場所もなく、世界を彷徨い続けているが、まだそれは終わっていない、という感じか。

バラの花 魔王様な 

弱みと迷いは しない 

暗闇で刺されても 

痛みを堪えて 叫ぼう 

“バラの花” は Rosabell のことで、すでに「魔王」のように恐ろしい存在として君臨しているということ言っているのだと思う。

“弱みと迷いはしない” の箇所は、おそらく「弱みは見せない・迷いもしない」という意味で、強者としてのプライドを表現している。


“暗闇で刺されても” のフレーズだが、個人的に「裏切り」を想像した (後ろから刺される的な)。

Rosabell が殺戮の限りを尽くして世界を支配しようとしているのだとしたら、身内から彼女を殺そうと企む者が現れても不思議ではない。

太陽が沈んで周囲暗くなったとき、もしくは睡眠中で灯りが付いていないとき、暗殺するならそういうタイミングを狙うはず。


そして “痛み” とは、刺されたことによる物理的なダメージももちろん、裏切りによる心へのダメージも指していると考える。

今では彼女の側にいて寄り添ってくれるような友人は存在しない、という事実を突きつけられるのはまさしく “痛み” だろう。

“叫ぶ” は、「弱音を吐かない・泣かない」という風に捉えるとわかりやすい気がする。

つまり、”暗闇で刺されても痛みを堪えて叫ぼう” とは「裏切りや孤独に苦しめられても、それに負けないように奮起する」ということを唄っているのだと考えることができる。

バラの花 貴族様な 
生意気 盛りの 遺伝子

忘れない昨日に 引き続き世界を奪おう

“貴族様な” は、「まるで貴族のようだ」という意味だと思うが、実際彼女は王女という高貴な身分であった。

そのような家系に生まれた、王族のDNAを受け継いでいるということを再確認するような歌詞だと思う。

“忘れない昨日に” は、いまいちピンとこないため不明。

“引き続き世界を奪おう” からは、世界征服・世界を支配しようと企んでいる様子が伝わってくる。

7 Predawn 【Farewell】

夜明け前 【別れ】

Predawn

7曲目。

イラストには、地図が広げられており、青と赤のチェスの駒のようなものが置かれている。

青い駒はIris側の、赤い駒はRosabell側の勢力を示しており、国の領土争いをしているのだと予想できる。


そして、バラと一通の手紙。

バラが使用されている手紙なので、Rosabell が用意したのもだと考えるのが自然だろう。

Rosabell から Iris に向けての手紙で、イラストは手紙を受け取った Iris の視点で描かれている。


手紙の内容は、おそらく戦争開始の宣戦布告。

タイトルの “Predawn” の意味は「夜明け前」、別名の “Farewell” は「別れ」という意味なので、イラストは二人が直接戦うことになる決戦前夜の様子が描かれているのだと考えられる。


肝心の楽曲は、どことなくもの悲しさ感じさせる音色で、Irisが昔を懐かしみながら「本当は戦いたくないのに…やるしかない」と考え決断を迫られているようなシーンが目に浮かんだ。

8 The Fallen BLOOM 【The Duel】

散りゆく花【決闘】

The Fallen BLOOM

Iris Rosabell が戦っているイラスト。

この曲の別名である “The Duel” は「決闘」という意味なので、やはり両者が戦っているシーンがこの曲のテーマになっていることがわかる。

イラストに描かれている剣は、両者が握っていると考えるのは体勢的に難しいため、「両者が戦っている」「左側が赤陣営/右が青陣営」という状況を示すためのアイコンとして使用されているのだろう。

タイトルの “The Fallen BLOOM” の意味は「散りゆく花」で、Iris か Rosabell のどちらかが敗れた、ということを暗示している。


また、ゲーム内で特定の条件を満たすことでイラストが変化するのだが、変化後のイラストの中心には赤陣営側の人物が剣で貫かれているのが確認できる。

おそらく、貫かれているのは Rosabell だろう。

二人の表情も悲しそうなものに変化している。

この曲にも歌詞があるため、見ていこうと思う。

ちなみに、歌っているのは「Lord Of Crimson Rose」の歌唱を担当している “Searlait” 氏 と、「Knight Of Firmament」の歌唱を担当している “Yoneko” 氏である。

基本的に同じ歌詞を共に歌っているが、1人で歌っているパートもあるため、その箇所は色分けして紹介する。

動き出す輪の命運(うんめいのわ)
定められた結末は今…

「両者の戦いが始まり、運命が動き出した。そして結末は…」 という戦いの火ぶたが切られたシーン。

独り歩いて 過去を拒んだ
闇(明日)を彷徨う華
燃ゆる瞳は 旧き友(貴女)を見詰め
来たるあの日を待つ

このパートは Rosabell が歌っている。

“独り歩いて過去を拒んだ 闇(明日)を彷徨う華” は、「昔の記憶や思い出を忘れようとしつつ、孤独なまま進み続け、行く当てもなく世界を彷徨っていたわたし」という風に自分のことを語っている。

“過去を拒む” というフレーズは、「Rosabell も時々は Iris と一緒に過ごした日々を思い出し、その記憶に苦しんでいたのかなぁ」ということを想像させる。

禁書によって人生を大きく狂わされた Rosabell も、心のどこかには正気が残っていて、自分自身と戦い続けていたのではないか。

そして、”燃ゆる瞳は旧き友(貴女)を見詰め” では、Rosabell が Irisを見つめている光景が目に浮かぶ。


“来たるあの日を待つ” というのは、「あの日(過去)が来る(未来)」と時制がごちゃごちゃしていて厄介だが、「純粋で無垢だった幼い頃の気持ちが戻ってくるのを待っている」という風に捉えるのはどうだろうか。

Rosabell は魔王のように世界を支配しようとする恐ろしい人物になってしまったが、昔を思い出して苦しむことがあるくらいには本来の自分が残っている。

そして、Iris が自分の暴走を止めてくれることを、心のどこかで期待している気持ちがあるのではないかと思う。

凍てついた心閉ざし
光(過去)に囚われる華
剣(つるぎ)と盾(たて)を
握り締め

“凍てついた心” とは、友人だったRosabell を思いやる気持ちが一切なく、「暴君は処刑するべき」「騎士として国を護る」といった規律に従うだけの、冷え切った心/感情のことを指しているのだと思う。

そして、Iris はそのような心/感情を “閉ざ”す 。

続く歌詞の “光(過去)に囚われる華” も合わせて考えると、「光のように美しく輝いていたころの記憶に執着してしまい、Rosabell を捨て切ることができない Iris」の様子を歌っている歌詞なのだと思う。

“剣(つるぎ)と盾(たて)を握りしめ” では、友人と剣を交える覚悟を決めている Iris が目に浮かぶ。

寂寞(せきばく)など心に隠す
見てると心が痛む
愚かなこの世界を奪う
この手で止めてみせる

“寂寞” とは「心が満たされずにもの寂しい様子」のこと。

やはり Rosabell は孤独に苦しんでいたのだろう。

それでもそれを表には出さない。


だけど、Iris はそれに気づいていて、苦しんでいる Rosabell を見て心を痛めている。

そして Rosabell は、自分から両親を奪い、その結果友人とも離れ離れにされ、自分をこんな状態に追い込んだこの憎く愚かな世界を支配・破壊しようとしている。

Iris はそんな Rosabell を “この手で止めて見せる” と。

動き出す輪の命運(うんめいのわ)
定められた結末の行方
明日と 過去は 混ざり合いぶつける
悲しみの中で

そして戦いが始まる。

渾沌の世界(明日・未来)を手に入れようとする Rosabell と、昔のRosabell (過去)を取り戻そうとする Iris がぶつかり合う。

お互いにこんな未来は望んでいなかったはずなのに、運命に導かれ剣を交える。

崩れゆく輪の命運(うんめいのわ)
定められない未来を紡ぐ
これで また きっと きっと
分かり合えるだろう
失われてる時の中で

“崩れゆく輪の命運(うんめいのわ)” は、二人の戦いが終わりを迎えた始めたことを表現している。


歌詞の前半と直前の2箇所で “定められた結末” というフレーズが使用されているが、最後には “定められない未来” が使われている。

これには、「この戦いの結末は運命によって定められていたが、これからの未来は決まっておらず、Iris が作っていくものだ」というメッセージを感じる。


“失われてる時の中で” は、「二度と手に入らない時間の中で」という風に解釈し、二度と手に入らない時間とは、「二人で一緒に過ごす時間」のことだと予想する。

Rosabell は死んでしまい、二人で一緒に過ごす時間は失われてしまったけど、あの頃の私たちにまた戻れるよね」 と歌っているのだろう。

9 Fall Where You Are Not 【Curtain】

貴方のいない場所 【終幕】

Where You Are Not

戦いの終わった戦場で、女性が背を向けて1人で立っているイラスト。

おそらくイラストの女性は Iris で、両手に剣を持っているのだが、片方は Rosabell の所持していた剣だと思う。

“Fall Where You Are Not (貴方のいない場所)” というタイトルからもわかる通り、 Rosabell はこの世を去っていなくなってしまった。

この曲の別名は “Curtain (終幕)” で、二人の戦いが終わったことを意味している。


楽曲は、哀愁を感じさせ悲しい気持ちを呼び起こさせる一曲。

戦いに勝利し国を護り、騎士としての使命を果たしたが、大切な友人は失ってしまった。

そんな Iris の複雑で悲しい気持ちを感じることができる。

10 Music.The eternity of us 【Alternative】

音楽 – 私たちは永遠に 【別の可能性 】

Music. The eternity of us

Chapter Kのラストを飾るこの曲は、今までの楽曲と比較すると異質。

今までの曲はすべて中世のヨーロッパをイメージさせるイラスト・内容であったが、最後のこの曲だけはとても現代的。


イラストを見ると、現代風の衣装を身に纏った少女二人が耳にイヤホンを付け、文字が書かれていそうな紙を一緒に眺めている。

肝心の楽曲も、現代的・平和的で暖かさを感じるほのぼのした一曲である。

明らかに、今までのストーリーとは時間軸が異なる別の世界を表現している。




色々な解釈が可能だが、筆者のお気に入りは、「今までのストーリーはすべて作り話のファンタジーで、そのストーリーに対応した楽曲を二人は一緒に聞いて楽しんでいる」というもの。

紙に書かれているのは物語か、もしくは楽譜か、はたまた歌詞か。

現代風の二人の少女は、ストーリーに登場する IrisRosabell を自分たちに置き換えて物語を読み進めていたため、物語の中の Iris と Rosabell の見た目がこの少女たちに似ていたのだろう。


曲の歌詞をチェックしてみると、「長い付き合いの二人が一緒に過ごす時間を大切に感じている」、というような内容であることがわかる。

タイトルの “Music.The eternity of us (音楽 – 私たちは永遠に)” を見ても、やはり、「二人がずっと一緒にいる」ということがテーマとなっているように感じる。

今までの Iris と Rosabell の物語も、「二人で一緒に過ごす(過ごした)時間は、友情は、絆は、すごく大切なものだよ」というようなメッセージが伝わってくる。


というわけで、『Chapter K は、「友情・絆」をテーマにしたチャプターなのではないか』と個人的に感じているのだが、みなさんはどうだろうか。

また、別の解釈には 「Iris と Rosabell が生まれ変わり、来世で再び仲良しの友達になった」というもの。

「今までのストーリーと楽曲は二人が一緒に作ったもので、完成したものを一緒に楽しんでいる」という解釈もできる。


今回紹介したのは、あくまで解釈の1つにすぎず、正解ではない。

1つの結末を提示するのではなく、空白を作り想像力の働く余地が残されていることで、様々な解釈が可能になるのはとても面白い。

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